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経済学部経営学科の根本萌希講師が医療機関の離職率改善を実証―BSC活用で日米平均を下回る成果―

2025.01.06
本学経済学部経営学科の根本萌希講師は,医療・公衆衛生分野の国際的な学術誌『Frontiers in Public Health』(PubMed収録誌)において,バランスト・スコアカード(BSC)を活用した病院経営の改善に関する研究成果を発表しました。(2024年12月11日オンライン掲載) 【研究のポイント:社会的意義と成果】 ・医療の質と病院経営の改善に向け,従業員の定着率向上が喫緊の課題 ・BSCの導入により離職率を23.6%から3.4%へ大幅に改善し,医療の質向上に貢献 ・日本の医療・福祉業界や米国病院の平均を大きく下回る優れた成果を実証 ・職場環境の改善により従業員エンゲージメントが72.1%から87.9%へ上昇 【研究の背景】 医療機関における従業員の離職は,医療の質の低下や病院の財務負担増加につながる重要な課題となっています。特に,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックは,医療従事者の離職防止の必要性を一層高めました。本研究は,専修大学商学部の伊藤和憲教授との共同研究である同病院のBSC運用に関する先行研究(Huang et al., 2023, Sustainability掲載)をさらに発展させ,長期的な効果を検証したものです。 【研究の内容】 本研究では,東京都のベトレヘムの園病院におけるBSCの運用について,8年間にわたるデータから事例研究を行いました。BSCは組織の経営方針や戦略を効果的に伝えるコミュニケーションツールとして活用され,以下の効果が確認されました。

1. 離職率の大幅な低下:2015年の23.6%から2023年の3.4%まで改善 2. 従業員エンゲージメントの向上:2015年の72.1%から2023年の87.9%まで上昇 3. 組織と従業員の信頼関係の強化

図:病院の離職率と従業員エンゲージメントスコアの推移 (縦軸左から年,離職率,従業員エンゲージメントスコア)

【今後の展望】 本研究の成果は,BSCが医療機関における離職率の改善に有効なツールとなり得ることを示しています。今後は同病院における継続的な効果検証を行いながら,BSCの活用方法や効果について,より多様な医療機関での検証を進めていく予定です。

タイトル:Reimagining hospital management: The balanced scorecard as a catalyst for employee retention and organizational excellence 著者:Feng Guo, Ying Sophie Huang, Moeki Nemoto* 掲載誌:Frontiers in Public Health DOI:10.3389/fpubh.2024.1485683 (https://doi.org/10.3389/fpubh.2024.1485683)

【研究助成】 本研究はJSPS科研費JP24K22650および公益財団法人牧誠財団研究助成A2024005の助成を受けて実施されました。