児童学科

福祉や医療、学校教育などの視点を大切に、幅広い知識を持つ保育士になりたい。

児童学科4年 髙木 菜央さん(加治木高等学校出身)

私は保育士を目指していますが、幼稚園と小学校の教員免許の取得も考えています。キャリアアップや選択の幅につながるというのも理由の一つですが、それ以上に幼児教育や学校教育を理解することが自身の保育観を広げると考えているからです。また、実習を通して支援が必要な子どもがいるクラスを経験した際、まとめることの難しさや人手不足を実感しました。そういった現場の実情を学んだことで、福祉や医療の視点からも保育を学びたいと思いました。

児童学科で学ぶこと

教育・保育の現場に留まらず、現代の子どもたちを取り巻くあらゆる諸問題を真摯に考え、教育と福祉の両側面から「子ども学」を学びます。2年次以降、福祉科目に重きを置いた「保育系コース」と教育科目に重きを置いた「児童教育系コース」に分かれて学んでいきますが、全学科生が「小学校教諭」「幼稚園教諭」「保育士」の3つの免許・資格を同時取得可能なカリキュラムです。

学びのポイント

「現場専門職」を目指すためには高度な実践力の修得と現場経験を重ねることも重要です。児童学科は講義だけでなく、演習、フィールドワーク、そして実習など、豊富な学びの機会に溢れています。また、学科の学生・教員で組織している児童学会には、学生の主体的な研究の場があり、自身の興味を掘り下げることができます。学科独自の「教員採用試験対策講座(幼・小)」も開講し、成長する意欲をサポートします。

卒業生メッセージ

鹿児島国際大学の先生方のように、熱心な指導ができる教師になりたい。

小野池 篤志さん
児童学科 2021年3月卒業(国分高等学校出身)
勤務先:鹿児島市立清水小学校

私が教師を目指したきっかけは、小学生のときに「学校って楽しい!」と思わせてくれた担任の先生に憧れたから。そんな私が、子どもたちの成長する様子や楽しそうに学校生活を送る姿を見られるのは本当に幸せで、教師という仕事のやりがいを日々実感しています。在学中は、各教科の授業の進め方やその中での児童への指導方法を実践的に学びました。その経験は、教壇に立つ今そのまま役立っていると思います。また、脇先生のゼミ活動で、県内各地でフィールドワークを行ったことも印象的でした。鹿児島国際大学には熱心に指導してくださる先生がたくさんいらっしゃったので、その教えを信じて学び続けたことが今につながっていると思います。

めざせる免許・資格
● 小学校教諭一種免許状 ● 幼稚園教諭一種免許状
● 保育士 ●  司書
● 司書教諭  

就職先一覧 (2023年3月卒業生)

鹿児島県教員(小学校)・熊本県教員(小学校)・神奈川県教員(小学校)・大分県教員(小学校)・福岡市教員(小学校)・鹿児島県社会福祉事業団・慶生会・山鳩福祉会・ニチイ学館・学研ココファン・ナーサリー・可愛学園・桜ヶ丘中央幼稚園・辻ヶ丘幼稚園・武岡幼稚園・慶生会・三州原学園・朝日ヶ丘学園・太陽の子幼稚園・南日本銀行・鹿児島県職員(教育事務) 他

経験と成長に、熱を。

教員や保育士を目指す学生を対象にした防災プロジェクト

帖佐准教授が取り組む「防災プロジェクト」は、2020年12月に東日本大震災の被災者と行った交流事業をきっかけに始まり、教員や保育士を志す学生の防災教育の指導力向上を目的にしたもの。学生たちは、各自で作り方を調べながら段ボールベッドを完成させました。また、段ボールで作る簡易トイレの組み立ても体験し、水に凝固剤を入れ、実際の排泄物処理に見立て、簡易トイレの手軽さも体感。さらにポリ袋を使って調理する「パッククッキング」を経験し、制約のある中でも普段と変わらないような食事をする工夫の仕方を学びました。

学生参加型親子広場「IUK親子ひろば」を毎月開催

児童学科の児童学会運営委員会では、毎月第4土曜日に学生参加型親子広場「IUK親子ひろば」を開催しています。これは、未就学児とその保護者を対象として、屋内の遊び場を本学で提供するもので、2021年4月にスタートしました。これまでは本学関係者の親子に対象を制限していましたが、2022年度は近隣の町内会と連携し、地域の方々にも開放することで、地域の子育て環境の向上に貢献していければと考えています。

クローズアップ授業

幼児教育方法

子どもたちが楽しく安心して成長・発達するためには保育者による援助が欠かせません。そのため、どのような環境で、どのような経験をさせるかを設定するスキルも重要です。体験的な学びを通して、幼児理解に基づく援助ができる実践力を身につけていきます。

総合講義「子ども学」

子どもの教育や福祉(保育を含む)を学び、各種の専門職に就くにあたって、子どもに対する視点を定めることは何より大切です。①子どもとは何か、②子どもをどのように捉えるか、③子どもとどのように関わるか、の3点について、体験・内省的に考えていきます。

ゼミ紹介

小学校における英語教育

階戸 陽太 准教授

教育現場の実際を学び、外国語科の指導力を高めていく。

私のゼミでは、英語教育の研究方法について学び、実際に小学校での授業見学を行い、各自がテーマを決めて研究し、最終的に卒業諭文にまとめます。また、学会に参加し最新の英語教育の情報に触れたり、必要に応じて小学校で実際に授業を行ったりと様々な学習機会を設けています。学生主体のディスカッションに取り組み、英語を話すことに慣れていくことで、外国語科指導の実践につなげていってほしいと思います。

小学校英語の授業を見学することで、経験値を高められます。

児童学科3年 山野 茉央莉さん(指宿高等学校出身)

小学校の英語教育は2020年度から教科化されたので、私自身は受けたことがありません。階戸ゼミでは実際に小学校英語の授業を見学して指導法の分析や教材研究を行うので、知識に留まらない学びを得られたことが大きな経験になっています。また、現職の小学校の先生との意見交換でもたくさんの発見がありました。


生活と遊びに関する保育実践研究

丸田 愛子 准教授

幅広い視点や観点を大切にして、保育現場から多くを学んでください。

私たちに身近な生活や遊びといった観点から保育や子育てについて考え、保育理解と子ども理解を深めていきます。基本的な知識については講義を通して身につけますが、学生それぞれがテーマを設け、自ら調査・考察することで主体的に保育を追究していきます。また、保育現場でのフィールドワークも積極的に行うので、保育する側の視点と子どもや保護者側の視点双方を学んでほしいです。

子どもに関わるたくさんの人の話から、学びが深まります。

児童学科3年 池上 瑠菜さん(神村学園高等部出身)

保育園や施設を訪ね、保育士や栄養士、看護師、そして保護者の方々とお話をさせていただきました。その経験が、学んだ知識をさらに深めてくれたと思いますし、将来自分が現場に立つときにも役立つのではないかと考えています。保育者と子どもの視点はもちろん、保護者の視点も大切にできる保育士へと成長したいです。

2023年度ゼミ紹介(演習テーマ)
■ 岩井 浩英 教授 教育・福祉と子どものウェルビーイング
■ 上谷 裕子 准教授 子どもの育ちと表現に関する研究
■ ⻆野 雅彦 教授 保育・幼児教育の原理とカリキュラム
子どもの衣食住と遊びの社会史的探求 鹿児島県内離島の保育と教育
■ 鮫島 準一 特任准教授 小学校理科教育の理論的・実践的研究
■ 階戸 陽太 准教授 小学校英語教育(外国語活動・外国語科)の理論的・実践的研究
■ 下野 浩二 特任教授 小学校・算数教育における学習指導に関する研究
■ 関山 均 特任准教授 幼児造形・図画工作科教育の理論的・実践的研究
■ 千々岩 弘一 教授 国語科教育の理論的・実践的研究 -小学校を中心に-
■ 帖佐 尚人 准教授 子どもの健全育成についての総合的研究
■ 中村 ますみ 教授 人と人をつなぐ音楽と音楽活動の研究
■ 原口 恵 講師 認知と発達 -子どもに関する心理学的研究-
■ 福島 豪 准教授 子どもを育てる実践的指導力の研究
■ 丸田 愛子 准教授 生活と遊びに関する保育実践研究
■ 吉留 久晴 教授 教育・学校問題の探究(Ⅰ)
■ 吉本 隆哉 准教授 スポーツサイエンス
■ 脇 正一 特任准教授 社会科教育における学習指導、教育課程等に関する研究