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桜島句碑・文学碑の現地調査を実施

2026.07.08
地域性と国際性の同時実現に向け、マクマレイゼミでは、桜島に所在する句碑・歌碑・文学碑等の文化資源を、地域学習、英語教育、国際発信に活用する取り組みを進めています。
この取り組みの第一弾として、6月16日に桜島で句碑・歌碑・文学碑の事前調査を実施しました。本調査は、島内にある各碑の管理主体、インターネット上に公開されている情報の精度や信憑性、現地での管理状態、設置経緯、そして実際の位置情報を明らかにすることを目的としたものです。
事前調査を進める中で明らかになったのは、桜島の句碑・歌碑・文学碑について、正確な座標や詳細な設置背景を網羅した公的データが十分に整備されていないということでした。そこで私たちは、7月22日に予定している試行的な「英語俳句フィールドワーク/ワークショップ」に向けて、2日間にわたり島内の候補地点を可能な限り確認する全体調査を行いました。事前に目星をつけた場所を一つひとつ訪問し、碑本体、案内板、周辺導線、写真、GPS座標、管理状態を記録しました。その結果、データ分析から非常に興味深い実態が浮かび上がってきました。現時点で整理した確認対象データに基づく暫定分析では、桜島に現存する句碑・歌碑・文学碑等の約70%が、桜島フェリーターミナル周辺および溶岩なぎさ遊歩道のエリアに集中していることが分かりました。この結果から、桜島全体を一度に扱うのではなく、まずは確認済みの句碑が集中するエリアを中心に、歩いて学べる「Haiku Walk」のモデルを構築することが現実的であると判断しました。
今回調査に参加した4年生の喜屋武幹大さんによると、「今回の調査結果をもとに、参加者が桜島をどのように歩き、景色や句碑をどのように味わえる活動にできるのか、これから計画していくのが楽しみです」 と述べていました。
また、収集した碑文データを精査したところ、鹿児島出身者や郷土に深いゆかりを持つ作家による句碑・文学碑等は、桜島全体では約40%を占めている一方、7月のワークショップで対象とする港周辺・遊歩道エリアに絞ると、その割合は約14%に変化することが分かりました。これまで正確な座標や設置背景が十分にデータ化されていなかったからこそ、私たちが一歩一歩足で集めたこれらの数値は、桜島の文化資源の輪郭を具体的に浮き彫りにする貴重な成果となりました。特に、ワークショップ対象地である桜島港周辺・溶岩なぎさ遊歩道エリアにおいて、郷土作家の割合が比較的低く、全国から訪れた著名な文人・俳人たちの句碑が多く見られるという事実は、桜島が地域文化を象徴する場所であると同時に、日本各地の文人・俳人を惹きつけてきた開かれた文学的空間であることを示しています。
今回の調査成果は、7月22日に予定している英語俳句フィールドワーク/ワークショップに活用されます。当日は、確認済みの句碑が集中するエリアを中心に、参加者が桜島を歩き、景観を観察し、句碑や文学碑を読み、英語で短い表現や英語俳句を作成する活動を行う予定です。
この取り組みについて、国際文化学科マクマレイ教授によると、「火山、歩行、健康、地域文化資源を結びつける研究は、大学・地域・行政が協働できる重要なテーマです。今回の桜島現地調査は、鹿児島の火山景観、句碑・文学碑、地域社会、そして歩く学びを結びつける、地域に根ざした実践的な取り組みです」と述べていました。
今後は、作成したオンライン地図と調査リストをもとに、鹿児島市教育委員会や関係機関と連携し、各碑の管理主体、写真・資料利用の可否、英訳・解説文作成の可能性を確認していきます。確認済みの地点はワークショップや教材作成に活用し、未確認地点については今後の再調査対象として整理していきます。(国際文化研究科 前期博士課程 原有輝)