IUK NEWS

2024.05.01

国際文化学部

国際文化学科中園聡教授(考古学)研究室と卒業生が薩摩焼の解明に寄与

国際文化学科の中園聡教授(考古学)研究室が、江戸時代に作られた薩摩焼の珍しい祠(ほこら)などの3D解析で研究に寄与し、2024年4月30日付南日本新聞に掲載されました(「窯神と棟札 記述一致」)。

この祠は「薩摩焼の里」として知られる日置市東市来町美山、沈壽官窯の敷地にあり、「窯神」とされています。背面にヘラで書かれた「文久元年八月」(1861年)の製作年月と役人や陶工の名前などを3Dで記録し、デジタル解析で文字を鮮明化。県指定文化財「日置市玉山神社伝来資料」の棟札とされる陶製の板も同様に解析して比較しました。製作年月、役人や陶工の名前などの内容が祠と棟札で合致することなどが判明し、両者に密接な関係があることが示唆されました。

この調査は、日置市教育委員会職員で文化財を担当する下小牧潤さん(本学国際文化学科卒業生、現・大学院国際文化研究科博士後期課程)が実施し、中園研究室は3Dデータの解析などで協力しました。下小牧さんと同研究室は、昨年1月にも同地区玉山神社の薩摩焼仁王像の破片をデジタル技術を駆使して復元して大きく報道されましたが、それに続く成果です。中園教授は「埋もれた資料に光を当て、新たな視点と技術で調査することで、薩摩焼生産地の歴史的事実がまた一つ浮かび上がってきた」としています。「過去だけでなく現在を記録することも大事」という考えから今回は祠の現状をありのまま記録し調査しており、今後さらに詳しい調査を進める予定です。

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