地域連携・研究TOPICS

2022.11.30

地域総合研究所

地域総合研究所共同研究プロジェクト 奄美でフィールドワークを実施

地域総合研究所「酒と鹿児島」研究チーム教職員7名が、研究の一環として2022年10月29日~30日に奄美大島にフィールドワーク調査のため赴きました。

 

現地では黒糖焼酎の酒造(奄美大島酒造・奄美大島開運酒造・弥生焼酎醸造所)を巡り、黒糖焼酎の製造方法や各酒造および奄美の黒糖焼酎業界全体が抱えている課題などについてお話を伺いました。

 

奄美大島の黒糖焼酎は製造過程で黒糖に加え米麹を使い、さらに奄美大島で製造することを条件に税制の特例を受け焼酎のくくりとして酒税負担の軽減が図られています。今後人口減により国内マーケットが縮小していくことを踏まえると、どの酒造も海外への輸出拡大を目指しており、海外のトップバーテンダーと一緒に黒糖焼酎を用いたカクテルを考案するなど様々な取り組みをしているそうです。しかし海外(特に北米、欧州)における焼酎に対する認知度の低さや海外との食文化の違いから苦戦を強いられているとのことでした。さらに黒糖焼酎の原材料となる黒糖は、かつては奄美産のものを使おうとする動きがあったものの現在は沖縄県産のものが主に使われていることが分かりました。その理由としては、国と沖縄県による黒糖メーカーに対する補助金制度により奄美の黒糖は沖縄の黒糖と比べ高価になっているからということが主に挙げられていました。

 

今回のフィールドワーク調査で判明した奄美大島の黒糖焼酎の特徴や奄美の黒糖焼酎産業が抱えている課題を踏まえながら、研究チームとしてまた各所員の専門分野を活かしながら奄美大島を含む鹿児島県のお酒の研究を進めて行きたいと思います。