地域連携・研究TOPICS

2025.12.09

産学官地域連携センター

生活を支える在宅医療を学ぶ ― 医療・介護の連携と現場の声を通して ―

社会福祉学科の中井ゼミ生6名は10月31日と11月7日に、在宅医療や地域包括ケアの現場を学ぶため、鹿児島市の「しもほんじ医院」と「さくらホスメディカル(七福さくら薬局)」を訪問しました。

10月31日の「しもほんじ医院」の訪問では、医師と看護師へのインタビューを通して、地域に根ざした医療のあり方や多職種連携の重要性を学びました。在宅医療は、病院に通えない高齢者や生活に困難を抱える人を対象に、医師と看護師がチームで定期的に訪問する仕組みです。下本地医師は、24時間体制での診療や緊急時の判断、家族との信頼関係づくり、ケアマネジャーや介護職との連携、終末期医療への向き合い方などを紹介。「助からないかもしれないが、それでも最善を尽くす」「家族が納得できる看取りを支えることが在宅医療の使命」との言葉が印象的で、下本地医師は「誠実な準備と説明を尽くすことが、信頼される医療につながる」と学生たちにエールを送りました。学生からは「地域に寄り添う医療の大切さを実感した」との感想が寄せられました。

11月7日の「さくらホスメディカル(七福さくら薬局)」の訪問では、薬剤師と介護支援専門員から、薬局の視点による地域の在宅ケア体制について話を伺いました。薬局では薬剤師とメディカルアシスタントが協働し、患者との対話を通して体調や生活状況を把握し、訪問看護や訪問介護、ケアマネジャーと連携して服薬管理や生活支援を行っています。「薬局は地域医療を動かす歯車の一つ。その歯車がかみ合い、機能するよう積極的な情報共有と連携が欠かせない」と説明され、学生たちは、薬局が単に薬を渡す場所ではなく、生活を支える重要な拠点であることを実感。「薬剤師がより身近な存在になった」「地域に寄り添い、信頼される医療のあり方を学ぶ貴重な機会だった」との感想が寄せられました。