地域連携・研究TOPICS

2025.11.20

地域総合研究所

地域連携見据え、地総研所員が生産現場をFW

本学附置地域総合研究所の所員らが11月15日、本研究所として今後どのような地域連携型プロジェクトを展開できるかを検討する目的で、フィールドワーク(FW)を実施しました。鹿児島の特産品を扱うECサイト「かごしまぐるり」を運営する株式会社オービジョンの大薗氏の案内で、農家など3カ所を巡り、生産現場の実情と大学との連携可能性について意見交換を行いました。

最初に訪れた日置市のイチゴ農家「ベリーハッピー」は、若手兄弟が就農3年目で営む園で、「さがほのか」「さつまおとめ」などを栽培。棚栽培に加えて土耕栽培にも取り組み、丁寧な水管理や土づくりを通して品質向上を図っており、若いながらも地域に根差した技術習得と積極的な経営が印象的でした。販売面ではJA出荷のほかEC直販や加工品づくり、イベント販売、キッチンカーによるスムージー・ジェラートの提供など、多角的な展開を進めています。また修学旅行生の受け入れなど、教育的な取り組みも行っていました。一方、初期投資の大きさや農地・ハウス確保の難しさなど、新規就農ならではの課題も伺うことができました。

その後に訪れたオリーブ事業者や柑橘農家でも、販路拡大、認知度向上、人材確保など共通の課題が挙がっており、大学との協働への期待の大きさを感じました。生産現場のリアルな声を直接聞くことで、学生の学びや研究所の地域連携に生かせる視点を得ることができました。

今回のFWは、生産者の創意工夫や地域の可能性を実感するとともに、大学が果たせる役割の広がりを確認する機会となりました。今後は学生参加型の体験や情報発信、加工品提案など、双方にメリットのある連携の仕組みづくりにつなげていきたいと考えています。