国際文化学科山下孝子教授のゼミ生13名は、9月24日に薩摩川内市の東郷町斧渕地区に江戸時代から伝わる国指定重要無形民俗文化財である東郷文弥節人形浄瑠璃の歴史や保存活動について調査および振興活動を行うため、鹿児島県観光・文化スポーツ部文化振興課からご仲介いただいて東郷公民館を訪れました。
同公民館には東郷文弥節人形浄瑠璃後援会が置かれ、舞台で使用する人形などの上演道具や台本などの資料が保管されており、資料を実際に見せていただきながら、保存会会長の野久尾忠氏にお話を伺いました。この形式の古浄瑠璃は日本全国に4カ所しか残されていない希少かつ重要な伝統文化である一方、保存会の活動の担い手は減少しており、現在は19名の会員で行なっているとのこと。会員の高齢化も問題となっており、後継者不足が深刻である一方、上演を見て強く関心を持ち、東京から移住して入会し、太夫(語り手)となった会員もいると伺い、この民間に残された希少な伝統芸能を絶やさないためにも、もっと多くの人に知ってもらい、見てもらうことが必要であることを強く感じました。
現地では野久尾氏より実際に人形を手に取って動かし方を教えてもらったり、歴代の台本を見せていただいたり、多くの貴重な体験をすることができ、学びの多い充実した調査となりました。