地域連携・研究TOPICS

2024.06.20

地域総合研究所

池上彰氏招き、清水基金研究締めくくる報告会  ジェンダー平等と地域発展でも議論

本学地域総合研究所の清水基金プロジェクト報告会が6月8日、ジャーナリストの池上彰氏らをゲストに迎えて行われました。学内の会場には学生や一般市民ら合わせて満員となる約520人が詰めかけ、関心の高さがうかがえました。

報告会のテーマは「地域探究の視角~ジェンダー平等のあり方を手がかりに~」。まず、同プロジェクト代表で本学福祉社会学部の高橋信行教授が、清水基金を活用し7年に及ぶ研究の経緯を説明。学術的視点から6本の論文を掲載した最終報告論集「地域探求の視角」を出版したことを紹介しました。

続いてジャーナリストの池上氏が基調講演。鹿児島は自然や地理的に恵まれているとしたうえで、「それに安住してはいないか。隣県熊本に台湾の半導体メーカーが進出し人材流出が懸念される今、もっと危機意識を持つことが大切である」。今後、地域を活性化するためには、「これまで男性中心のモノカルチャーから、異質な人や考えを受け入れるダイバーシティこそが大切。第二、第三の明治維新をここから始めていくことではないか」と結びました。

次に、同プロジェクト研究メンバーで京都女子大学の竹安栄子学長が「地域社会の持続的発展に向けて~女性のためのリカレント教育の意義と課題~」と題して、成果報告しました。

プログラム最後のパネルディスカッションは竹安学長をモデレーター、池上氏をコメンテーターに、男女共同参画政策アドバイザーの髙﨑恵氏と南さつま市議の平神純子氏をパネリストに活発にディスカッション。モデレーターの竹安学長が、「鹿児島は地域資源を生かした観光産業がもっと発展していくべきで、女性が最もその資質を発揮できる分野でもある。女性がその価値を発見し、のびやかに行動できる地域をつくっていけば世界に向けても先進地となりうる」とまとめました。

会場の参加者らは、鹿児島の未来を示唆する内容に興味深く聞き入り、満足げに会場を後にされる姿が多く見られ、清水基金研究プロジェクトを締めくくるにふさわしいイベントとなりました。