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2024.08.06

図書館

図書館・オーディオルームテーマ展示:ノーマン・シェトラー氏 追悼展示のお知らせ

2024年6月25日、世界的ピアニストで元オーストリア国立ウィーン音楽・総合芸術大学教授のノーマン・シェトラー氏が93歳で逝去されました。中島一光教授の恩師であるシェトラー氏は、これまで本学にも数回、公開レッスンの講師として訪れております。シェトラー氏の功績は、ソリストとしてだけでなく、著名な歌手の伴奏者としても広く知られています。特にテノールのペーター・シュライヤー氏との長年にわたる共演は、多くの音楽愛好家に深い印象を残しました。彼らの録音、特にシューマンの歌曲は高い評価を受けています。また、シェトラー氏はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、トーマス・クヴァストホフ、ギドン・クレーメルなど、数々の名歌手や名演奏家とも共演し、その卓越した技術と表現力で多くの名演を生み出しました。さらに、シェトラー氏は人形劇の公演でも評価されており、彼の「ミュージカル・パペット・キャバレー」は国際的に高い評価を受け、世界中の観客を魅了しました。


以下は、中島一光教授の追悼文です。

「シェトラー教授は、人々を引きつける魅力に満ちており、持ち前のユーモアとジェスチャーで、高い芸術を分け隔てなく人々に届けました。また、多くの本学教職員のウィーン在外研修を受け入れ、来鹿の折には、特別公開レッスンやマスタークラスを行い、鹿児島の音楽家たちに貴重な学びの機会をもたらしました。その功績は計り知れません。私もこの30年間、彼と多くの人々を結びつける役割を果たせたことを大変光栄に思います。これからは、我々教えを受けた者が、彼が授けてくださった大切な芸術表現を後進に伝えることで、天に召されました先生に安らぎと喜びを伝えられるよう精進してまいります。ノーマン・シェトラー先生、ありがとうございました。」

このような偉大な業績を讃えるため、この度、シェトラー氏を追悼し、オーディオルームにて彼の貴重な音源資料や書籍を展示いたします。この機会に、ノーマン・シェトラー氏の偉大な音楽に触れ、その生涯と功績を偲んでいただければ幸いです。