IUK NEWS

2024.07.12

国際文化学部

薩摩藩英国留学生・長沢鼎のカトラリーセットが本学に寄贈されました

幕末の薩摩藩英国留学生として最年少の13歳でイギリスに渡り、のちにアメリカで事業に成功した薩摩藩士・長沢鼎が使用したカトラリーセットが本学に寄贈され、長沢鼎展示室兼資料室(坂之上キャンパス7号館4階)に収蔵されています。

これはカリフォルニアに在住する長沢の親族から贈られた2セットのうちの1つで、もう1つは薩摩藩英国留学生記念館(鹿児島県いちき串木野市)にあります。本学のものは、鍵付きの木箱に3段にわたって銀のナイフとフォークが34本18組収められています。握り手には象牙が施してあります。長沢はカリフォルニアで「ワイン王」として知られ、上等なワインを製造して富豪になりましたが、このセットはその栄華を物語る貴重な資料です。

鹿児島国際大学ミュージアムの鐘ヶ江賢二・学芸員の調査の結果、このカトラリーセットは、金属部分にJohn Gilbert社を表す刻印があり、もともと銀細工のメーカーだったイギリスの同社が19世紀末頃に製造した高級品ということがわかりました。頻繁にパーティーを開いていた長沢がわざわざ取り寄せたものと思われます。長沢を研究する国際文化学科の森孝晴教授は、「現在ではアンティークとしての価値もさることながら、長沢の旧蔵品という歴史的価値が加わって高く評価できる資料」としています。

長沢鼎展示室兼資料室には、カトラリーセットのほか以前寄贈された長沢使用の香道具なども収蔵しており、どなたでも見学できます。見学ご希望の方は、森孝晴教授moritaka@int.iuk.ac.jpまたは鹿児島国際大学ミュージアムmuseum@ofc.iuk.ac.jpまでお問い合わせください(@は半角)。

◆関連報道記事が『南日本新聞』(3月30日付)に掲載されています。