IUK NEWS

2025.12.15

大学院

マクマレイ研究室、東京で国際ビジネスケース研修を実施

11月24日、国際文化研究科のマクマレイ教授と大学院生は、東京・日比谷にある鹿児島県アンテナショップを訪問し、県産物に対する消費者の関心や人気商品の傾向について調査しました。店内では鹿児島茶関連の商品が特に多く並び、近年の荒茶生産量の増加や、国際的に高まる抹茶需要との関連が確認できました。調査結果を踏まえ、県産品を活用した英語ワークショップの可能性について検討したところ、本学で実施されている台湾インターンシッププログラムとの連携が候補として浮上しました。英語で企画運営するワークショップは、アクティブラーニングと実践的経験を同時に得られる学習機会となり得るため、その提案は今年度インターンシップ参加予定の学生にも共有され、現在、実現可能性について協議が進められています。

翌25日には、一同は創価大学国際教養学部のGeorge Wang 教授とともに、Real Cases in Business English をテーマとした共同講義「国際ビジネスⅠ」を行いました。講義では、鹿児島の地理的特性を起点に世界情勢やビジネスケースを読み解く内容を紹介し、筆者の研究テーマである「世界情勢を踏まえた、鹿児島で展開可能なビジネス英語教育」についても講演しました。

特に、アクティブラーニングとケーススタディを融合した「Case of the Three Ships」を取り上げ、鹿児島が国際貿易を行う際、シンガポール・香港・高雄といったアジアの主要ハブ都市から何を学べるのかを深く掘り下げました。地域発の国際ビジネスの可能性や、地方と世界情勢の思わぬ接点、地域文化と国際理解教育のつながりなど、グローカル教育の意義が明確に示されました。また、鹿児島で構築可能な英語教育モデルが、将来的に他地域にも応用し得る枠組みである点も指摘されました。

同日、中央大学に移動し、「移民経済学入門」の共同講義にも参加しました。ここでは、地方から見た移民問題は都市部とは異なる視点や課題を有していること、そして多極化する国際社会において移民問題は単純化できない複雑なテーマであることを踏まえ、解決へ向けては地方を含めた多層的・継続的な対話が不可欠であることを説明しました。

今回の東京での一連の取り組みを通じて、鹿児島から世界を捉える視点が、想像以上に大きな可能性を持つことを再認識しました。地方の視点は、多極化する世界情勢の議論において重要な役割を果たし得ることが明らかになり、鹿児島の地域性と国際教育を結ぶ「橋渡し」としての教育的価値を再確認する機会となりました。

国際文化研究科 前期博士課程 原有輝