国際文化学科のマクマレイ教授ゼミが、ユネスコ世界文化遺産の構成資産である鹿児島市にある仙厳園で問題解決型のフィールドワークを行いました。これは、この有名な庭園を訪れる外国人観光客を対象に、俳句とお茶のティーツーリズム(ティーツーリズム)への関心度を明らかにすることを目的とした調査です。高品質の緑茶で知られる鹿児島において、とくに抹茶は、台湾、韓国、カナダ、アメリカ、ヨーロッパ諸国などへの輸出品として緑茶を抜いています。また、北米とヨーロッパでは、様々な言語による俳句への関心が近年着実に高まっており、それらを背景にした調査です。
12名の学生が英語と中国語で外国人観光客にインタビューし、その結果、回答者は俳句とティーツーリズムという概念に興味を持っており、ほとんどが俳句ツーリズムのイベントに参加したいと回答しました。仙巌園で印象に残った施設や、日本のお茶文化についての具体的な質問についても調査結果を得ることができました。今回の結果は、予備的な性質のものですが、大学生が鹿児島を訪れる外国人観光客に俳句と茶のツーリズムという概念を紹介・普及することの妥当性を示唆しており、この分野における更なる研究の必要性を示唆しています。
この結果は、このほどマクマレイ教授が論文にまとめました。(McMurray, D. (2025). Familiarity and Interest in Haiku and Tea Tourism at Sengan-en.『国際文化学部論集』26(2): 25-43.)
以上を受けて、ゼミでは現在、桜島地域における俳句ツーリズムの発展について研究しています。インバウンド観光において、松尾芭蕉など著名な俳人が歩いた道を辿るアドベンチャーツアーは非常に人気があり、外国人観光客による日本の景観や伝統文化を楽しみながら巡る俳句ウォーキングツアーなどが企画されています。
一杯のお茶を意味する「一茶」という雅号を名乗った小林弥太郎(1763-1828)のような著名な俳人たちの句には、お茶に関するものがあります。
山寺や茶の子の庵も菊の花 (一茶)
今後も語学を活かしながら、地域の文化や景観、伝統産業を考慮したツーリズムについて考察を深めていく計画です。
(国際文化学科3年 有水海翔)
