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2025.10.21

経済学部

上海での海外調査実習:文化理解と価値観の発見

9月6日から9月16日にかけて、経済学科の康上賢淑教授が担当する「海外調査実習」が中国・上海で実施され、経済学部2年生4名が参加しました。「国際都市における経済・文化・社会の多様性と交流」をテーマに、上海領事館、東華大学、華東師範大学、上海社会科学院、上海師範大学天華学院、日中合弁企業上海宝鋼、上海の「インフルエンサー」(網紅・ワンホン)などを訪問・見学し、現地の文化・経済の現状を学び、交流を通して異文化への理解を深めました。
以下、参加学生のミニレポートです。

上海の第一印象
到着初日、上海ディズニーランドと近代的な高層ビルに強い印象を受けました。当初、中国に対して漠然とした不安や先入観を持っていましたが、実際に現地の人々と接する中でその印象は大きく変化しました。街では人々が親切に温かく接してくれ、文化の違いを超えた人間的なつながりを感じることができました。

食文化を通じた学び
実習中、最も印象に残ったのは食文化の違いでした。日本では個人ごとに配膳される食事が一般的ですが、中国では円卓を囲み、大皿の料理を皆で分け合うスタイルが主流です。食事を通じた会話や、相手に料理を取り分ける動作から「思いやり」や「つながり」を重んじる文化が伝わってきました。食は単なる栄養摂取ではなく、人と人との関係を深める重要な役割を持つことを実感できました。 

大学・企業訪問での発見
大学訪問では、中国の学生の学ぶ意欲と国際的な視野の広さに感銘を受けました。特に、華東師範大学では学生同士の交流を通じて、教育の在り方や学びへの姿勢について考えさせられました。また、企業見学では、AIやデジタル技術を活用した最先端の産業発展を目の当たりにし、中国経済のダイナミズムを実感しました。スマートフォン決済が生活に完全に定着しており、技術革新のスピードの速さを肌で感じることができました。

価値観の違いについての気づき
現地の大学生とのディスカッションでは、「若年層の体力低下」や「健康管理」をテーマに意見を交わしました。日本では個人の自主性を重んじる対策が多いですが、中国では政府が主導して健康を管理するという考え方が一般的です。この違いは、社会の価値観や文化的背景の反映であり、国ごとの政策思想の違いを理解する良い機会となりました。

(文責:経済学科2年 東郷 尊・経済学研究科 張 耘赫)