戦後80年の節目を迎えた今年、国内で最も多くの特攻隊犠牲者を出した鹿屋市は数々の周年事業を行っています。その一環として開催された創作舞台「野里国民学校」(台本・監督・音楽:松永太郎)に、音楽学科卒業生の村山創太さん(令和6年度卒業/バリトン)が主役級の一人として出演しました。野里国民学校は旧野里小学校の校舎を借りて設けられた寄宿舎で、全国から集った特攻志願兵たちが出撃命令を待ちながら、最後の時を過ごした場所。村山さんは従軍記者として随行した作家 山岡荘八を演じ、中立的な立場から戦況や志願兵を見つめながら、戦争の悲惨さと平和の尊さを訴えました。
村山さんは「鹿屋航空基地資料館に通い、特攻兵の生活の記録や家族に宛てた手紙、遺言と向き合った。戦争の悲惨さを知るとともに、先人たちへの尊敬と平和への感謝を改めて感じさせられる舞台になった。これからも演劇や大学で学んだ声楽を通して、来てくださった方々の心に何かを残せるような活動をしていきたい」と今後の抱負を語ってくれました。
公演を鑑賞した久保禎教授(作曲・音楽理論)は「戦争美化や特攻賛美に陥りがちな難しいテーマを、従軍記者としての眼を通じて客観的かつ冷静に表現していた。難しい役どころをしっかりと解釈・演技した村山さんは立派に尽き、カーテンコールでは盛大な拍手を受けていた。さらなる精進と益々の活躍を期待したい」と賛辞を贈りました。