IUK NEWS

2025.03.13

国際文化学部

天草の地でキリシタン文献への理解深める―国際文化学科日本語学ゼミで研修実施―

国際文化学科の日本語学ゼミ(担当:松尾弘徳准教授)では、3月8日、9日の両日、熊本県の天草へ赴き研修を実施しました。研修の主たる目的は、2024年度演習テーマである「キリシタン資料『天草版エソポのハブラス』の日本語学的研究」の総括として天草キリシタンの史跡踏査をおこなうことにありました。『エソポのハブラス』はイソップ寓話の日本語訳で、天草のコレジヨ(神学校)にあった活版印刷機を用いて1593年(室町時代後期)に作られたとされており、当時の口語をうかがい知れる日本語史資料として極めて価値の高いものです。
ゼミ生20名が参加した研修では、西村洋信先生(天草工業高校校長)のご助力を受けて活版印刷に関わる鋳造・印刷体験を行なったり、天草宝島観光協会観光ガイドの方の解説を受けながら世界文化遺産である崎津集落を散策したりするなど、天草の地で布教をおこなったキリシタンたちの歴史・日本語学習史に関する理解を深めました。現地に実際に赴くことで、演習で扱ったテキスト(『エソポのハブラス』)の成立背景をより深く学ぶことができたのではないでしょうか。

松尾弘徳[国際文化学科教員]