ビジネスのミカタ

鹿国大 卒業生メッセージ ビジネスのミカタ IUK GRADUATION MESSAGE

Vol.05

第47期 1982年経済学部経営学科卒業

コーアツ工業株式会社
代表取締役社長

出口 稔

生産性向上を図り、働き方改革を推進する

大学を卒業後、コーアツ工業株式会社(当時の社名は南日本高圧コンクリート株式会社)へ入社し、主力事業である橋梁工事の営業職として、2014年に就任した役員時代を含めて37年間従事してきました。2019年に代表取締役社長に就任し、現在は経営責任者として仕事をしています。

当社は2001年に大阪証券取引所(現在は東証二部)へ株式を上場し、県内では唯一の上場建設会社として、鹿児島を拠点に南は沖縄から北は東北まで、全国で橋梁建設事業を展開しています。県内では曽木大橋や西田橋、甑大橋といった地域を代表する橋から小規模な橋まで、1959年の創業以来、数多くの橋梁建設を通して成長して参りました。仕事の醍醐味は、国や県の大型プロジェクトに関われる事で、現在も、北陸新幹線の延伸工事やリニア中央新幹線の工事も施工中で、鹿児島県の企業でありながら、全国を舞台に地図に残る仕事が出来ることを誇りに思っています。

建設業界では長らく、技術者をはじめとする担い手不足・高齢化という問題を抱えています。経営者として、コロナ感染症予防対策を日常に織込み、社員の健康に主眼を置いた働き方改革を推進し、生産性向上で応えられる企業になるべく、担い手、特に若手技術者の育成に力を入れていきたいです。そして、何より基本である『安全』を最優先にした企業であり続けることに尽力します。

将来に向けては、2013年に成立した国土強靭化基本法に基づく防災・減災の為の社会インフラ整備や、高度経済成長期に建設された橋梁の大規模補修・補強・架け替え工事など、主力となる橋梁建設事業では、継続した需要が見込まれておりますので、必要とされるだけの技術力を今後も培っていきたいです。

最近では、積極的な子育てサポート企業として、九州の建設業者では初めて厚生労働大臣から『プラチナくるみん』の認定を頂きましたが、社員の「働きやすさ」については、常に新しい情報にアンテナを張り、改良・改善に努めていきたいです。

私個人の転機となった出来事としましては、2008年に福岡支店長として単身赴任した際、短い期間ではありましたが、同業者や異業種の企業や人と交わり、鹿児島を拠点に全国で展開する上で、信頼できる人脈を数多く築くことが出来た事です。福岡から鹿児島、そして全国を客観的に見る事が出来たのは、今の私を支える礎となりましたし、家族の有難さも再確認する事が出来ました。

後輩へメッセージ

学生生活は多くの事を経験し自分自身を磨ける貴重な4年間です。学業は勿論の事、数多くの方々と接し、人を見る目を養い、そして人間力を高めていく事が大切だと思います。学生時代に築き上げた人間力は、必ず将来に活かされます。
また、これから先、必ず“自分にとってのターニングポイント”が訪れます。人生の転機は自分の意志と行動からしか生まれません。是非、自らの努力で良い結果をつかみ取って下さい。

座右の銘・処世訓など

論語の『忠恕の心』
自分の心に忠実であること、そして周りの方々には思いやりを持って接する事を心掛けています。

愛読書・推薦書など

鹿児島で学び、そして生活する上で、まずは郷土の歴史や偉人に纏わる書籍を読んでみてはいかがでしょうか。