鹿児島国際大学

菊地 裕幸

所属・職位 経済学部経済学科 教授
担当科目 財政学

研究テーマ:阿久根市産業における後継者問題を中心として

研究計画

菊地 裕幸本プロジェクトにおける私の研究テーマは、「高齢化・人口減少が地域にもたらす諸課題の解決~阿久根市産業における後継者問題を中心として~」である。

阿久根市の産業別就業者構成をみると、鹿児島県全体よりも第一次産業の就業者比率が高い一方で、第一次産業就業者の高齢化率は10ポイント以上高くなっており、高齢化が進んでいることがわかる。また第一次産業就業者数は、平成2年以降減少し続けており、就業者数の減少と高齢化が相まって進んでいるのが現状である。

阿久根市の基幹産業は、農業、漁業を中心とした第一次産業およびそれらを原材料に用いた食品製造加工業であることから、第一次産業の就業者数減少および高齢化が進むことは、阿久根市経済・産業に大きな影響を及ぼすことが避けられず、後継者や新規就業者の育成・支援が喫緊の課題となっている。

阿久根市もこの問題の重要性については十分認識しており、先般策定された「笑顔あふれる阿久根市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン及び総合戦略」においても、「新規就農者支援事業」、「漁業後継者就業支援事業」、「地元商工業者育成支援事業」、「地元商工業後継者育成支援事業」等々、後継者や新規就業者育成支援に関する事業を重点的に打ち出している。

以上を踏まえ、本研究は、阿久根市産業における後継者・新規就業者問題について、特に第一次産業およびそれらを原材料に用いた食品製造加工業を中心として、現状、現状に至る経緯、課題および今後の施策の方向性を明らかにすることを目的とする。

福井 昭吾

所属・職位 経済学部経済学科 准教授
担当科目 情報経済論

研究テーマ:鹿児島の若年層の人口減少に影響を及ぼす要因に関する計量的手法による分析

研究計画 福井 昭吾

今回のプロジェクトにおける研究テーマを「鹿児島の若年層の人口減少に影響を及ぼす要因に関する計量的手法による分析」と設定した。鹿児島における人口減少や高齢化が問題となって久しい。その大きな要因の一つが若年人口の減少である。若年人口の減少は短期的に人口減少をさせるだけではなく、少子化の進展によりさらなる長期的な人口減少をもたらす。したがって、鹿児島の人口減少を止めるならば、若年人口の減少は最優先で取り組むべき課題であると言えよう。

若年人口の減少は、さらに少子化による自然減と他地域への転出による社会減とに分類される。鹿児島の場合、県内から福岡や東京などの都市部への転出による若年人口の減少だけでなく、離島から本土への転出による県内島嶼部における若年人口の減少もまた大きな問題と認識されている。その背景として、都市ー島嶼間の所得格差や、地方におけるインフラ整備の遅れといった様々な要因が考えられるだろう。しかし、「これらの要因がどの程度若年人口に対して影響を及ぼしているか」、「その要因が本当に若年人口の減少に影響を及ぼしていると言えるのか」といった事柄について、定量的な分析を試みた研究は極めて少ない。

本研究では、鹿児島における若年人口の社会減に注目し、その要因とされる事象について、影響の大きさ、また、その影響が有意なものであるかを計量モデルの構築と推定を行うことで定量的に分析する。この分析を通じて、若年人口の社会減を抑制するための対策についての考察が可能となるだろう。また、若年人口の社会減が、将来的な人口減少および高齢化の進展に与える影響についても定量的な分析を行う。

加えて、鹿児島島嶼部における若年人口の社会減についても上記と同様の分析を行い、鹿児島県島嶼部における若年人口の減少を抑える対策について定量的な観点から提言を試みる。

増田 和高

所属・職位 福祉社会学部社会福祉学科 講師
担当科目 障害者福祉論

研究テーマ:島嶼地域における医療・福祉ニーズと地域独自の取り組みがもたらす影響

研究計画

増田 和高2011年の東日本大震災以降,わが国では「つながり」や「絆」という言葉が多用され,様々な活動において「地域住民のコミュニティづくり」や「地域創生」といったテーマが取り上げられることが多くなってきた。また震災だけでなく,リーマンショック以降の日本社会においては貧困問題,虐待,自殺等々の深刻な社会問題が地域生活に深い影を落とし続けており,安心して住み続けられるまちづくりに参加する必要性を当事者として地域住民自身が実感せざるをえない局面にさしかかっているともいえよう。また,行政側も国や地方自治体が対応困難な地域課題について,地域住民の自発的な活動により解決することを期待する政策を展開することで,「地域福祉の時代」に大きく舵を切った。

人々の幸せや充実した生活の実現に向けて支援を展開する専門領域である社会福祉。具体的には,生活のし辛さや困り事を抱えた様々な利用者の声に耳を傾け,生活のし辛さや困り事を構成する要素を析出しつつ,社会資源に結び付けて解決を図っていくことで「その人が求める“自分らしい生活”」の実現を支援することがその役割として求められてきた。また,そうした支援の根幹をなす生活基盤としての「地域」をいかに豊かにしていくかということは,以前より福祉領域の中で「地域福祉」として取扱い続けてきた課題でもあった。

ここ数年の社会情勢を受け,これまでにないほど地域福祉に対する期待と意識は高まってきている。しかし一方で,日本にはこれまでに地域住民がその地域の文化性や歴史に基づき培ってきた住民が相互に支えあう仕組みが今もなお根付いている。介護保険制度等が導入され公的社会資源が充実した現在においても,その地域性を活かした「相互に支え合う仕組み」は地域特性として残り続けており,こうした仕組みから学ぶことも多い。もちろん,産業構造や家族構成の変化に伴い,従来ほどの「支え合う」システムが残っている地域は多くないが,島嶼エリアにおいては「島」という限られた資源の中で「支え合う」システムが公的社会資源と調和しつつ形を残している。今回の研究プロジェクトでは,西之表市の習俗や歴史文化に学びつつ,支え合う仕組みと公的社会資源の関係性を探り,これからの「地域づくり」について島嶼エリアから見る可能性を探求していきたいと考える。

アイリッシュ・ジェフリー

所属・職位 経済学部経営学科 教授
担当科目 まちづくり概論

研究テーマ:地域の魅力を調査して把握した上、さらに魅力ある住みよい地域になるための提言を地域住民と共に作り、移住者に向けての空き家対策を提言する

研究計画

増田 和高現在700世帯ある川辺町高田地区は、過疎や高齢、少子化によって空き家が増え、高田小学校の児童数が減少している。これからの10年間で200世帯も減る見込みで、高田小学校も複式教育になっていくことが見込まれている。 そこで、この地域の歴史的・文化的資源や人材など、これら高田地区の魅力や個性を調べて把握した上で、今現在の暮らしを維持しながらも、新しく発展させていく可能性には何が必要か、何ができるかをゼミ生や地域住民と一緒に考えていきたい。 今の暮らしの中の幸せを守り、発信することによって、UIターン者を増やし、過疎や高齢、少子化の勢いを少しでも和らげることを最終目的とする。

大久保 幸夫

所属・職位 経済学部経営学科 教授
担当科目 情報システム

研究テーマ:鹿児島市副都心谷山・慈眼寺商店街の活性化

研究計画

大久保 幸夫平成 28 年 3月 26 日、指宿枕崎線の谷山駅付近から慈眼寺駅付近までの区間が高架化され、谷山駅と慈眼寺駅が高架駅として営業を開始。それに伴い踏切15カ所が廃止された。このことにより、踏切があることによる交通渋滞や事故が解消されただけでなく、駅付近の商圏(商店街)が大きく変化(拡大)する可能性が出てきた。

本研究では,商店街の競争力強化と活性化のために,谷山・慈眼寺商店街及びその周辺の大型店舗等において消費者および事業主に対してアンケート調査と聴き取り調査を行い,後継者不足問題,空き店舗問題,商店街の魅力,必要な設備・サービスなどについて課題を発掘し、商店街発展の条件について考察する。また,鹿児島市の副都心として発展を続ける谷山・慈眼寺地区をフィールドに商圏等,商業環境の変化についての分析を行う。

最終的には,後継者不足・空き店舗問題の解決策や商店街の活性化策について提案する。

太田 秀春

所属・職位 国際文化学部国際文化学科 教授
担当科目 日本史

研究テーマ:歴史的景観の保存と地域

研究計画

平成28年度から、地域総合研究所で推進する「鹿児島の地方創生に関する総合的研究」の「魅力ある地域づくりに関する研究」に参加するにあたり、自分自身のテーマを「歴史的景観の保存と地域」と設定した。

「地方創生」という問題が叫ばれるようになってからすでに久しいが、この問題を考える上で、その地域の個性を活かしていくことが重要であることは、いまさら言うをまたない。そのような地域の個性を形成するものの一つとして着目したいのが、今日まで連綿と続いてきた歴史的・文化的な要素である。

本研究では、鹿児島の魅力ある地域づくりのテーマとして、地域の歴史的・文化的な資源を大きなテーマとして取り上げ、まずはその意義や魅力を考えたい。現在、本学と鹿児島市との包括提携協定にともなう事業のなかで、ゼミの学生たちとともに鹿児島市喜入旧麓地区の景観保存に取り組んでいる。喜入旧麓地区は、かつて薩摩藩の地方統治の行政機構である外城が置かれた場所であり、その外城なかでも武士たちの居住地域である麓地区の面影を、今日まで良く残している。しかし、この地区でも、近年の都市化や住民の変化などにより地域の変容がみられ、かつての景観が変化してきている。

このような歴史的建造物については、すでに重要伝統的建造物群保存地区として国が選定し、法的な保存措置を講じている事例があり、鹿児島では、知覧・出水・入来などの武家屋敷群が選定され、面的に保護されている。鹿児島では、これらの地域ほどではなくても、喜入旧麓地区のように一定の価値を有する建物が残存する地域は多数存在しているが、その保護については課題も多く現在は模索の段階である。

地域住民と学生との活動を基本に、地域の個性や魅力を学生たちの視点も取り入れつつ確認したり再認識したりする中で、そのような地域資源を含んだ歴史的・文化的な景観の保存という問題について、大学がいかに関わることができるか、また地域と行政の間で、どのような役割を果たすことができるか、ということについて研究していきたい。

中村 ますみ

所属・職位 福祉社会学部児童学科 准教授
担当科目 音楽

研究テーマ:子育て支援事業における音楽活動の活用

研究計画

中村 ますみ 今回のプロジェクトにおいて、「子育て支援」を考える機会をいただいた。これまで、私は音楽教育や音楽療法の実践研究において、音楽や音楽活動によって、人と人が、あるいは人と行動がどうつながるかをテーマにしてきた。音楽活動の場は、セラピー室や教室から地域へ、特定の個人から集団、そして街中で偶然出会う人まで、年々広がっている。その中で、音楽にできることがもっとあるはずだとの思いは強くなっている。音楽の可能性は無限にあると信じたい。事実、太古の昔から、人々は共同体の中で、儀式に祭事に、そして労働にと音楽を活用してきた。

では、現代の共同体において音楽は何をなしうるのか。今世紀に入って、「コミュニティ音楽療法」という言葉もさかんに聞かれるようになってきた。このように呼ばれる実践は、地域、そして音楽活動という共通項はあるものの、目的や方法、形態もさまざまであり、実に多様で広範囲に及ぶ。中には音楽療法という枠組みで捉える必要性は、あまり感じられないものもあるが、音楽や音楽活動を人々の幸福に役立てようとする試みがある社会は、音楽に携わる者としての最終的目標であろう。

「子育て支援」にアプローチするために「地域」、「音楽活動」というキーワードから、具体的な研究の方向性として以下の3点について考えてみたい。

まず、出生率の高い地域における、その共同体特有の住民意識について調査し、その要素を精査し、子育て支援事業の音楽活動内で再現できないかという試みである。これは大きな挑戦であると感じているが、音楽の持つ社会的機能をどのように活動化していくかについて考えていく。
二つ目は、音楽活動から見えてくる本音に注目したい。子育てをしている当事者である親(おもに母親)自身も気付いていない思い、これが音楽活動後に語られるのではないかとの仮説に立つものである。これは、長年の音楽療法や教育活動、それに加えて地域での音楽活動で感じてきたのだが、近年障がい児の母親に対する音楽活動において、実践後参加者が語ったこと、語らずともその顕著な変化に接した経験による。子育てで感じていること、ひいては少子化の原因の中には、一般的なアンケートでは把握しにくいこと、数字に表れにくいことがあるはずで、それらが明らかになればと考える。
三つ目に、音楽活動による子育てのためのスキル習得の場としての活用である。乳幼児と関わることなく親になった人にとって、子育て支援プログラムにおける、有効な手立てとなるはずであると確信する。音楽の様々な特性を生かしながら、楽しく子どもと関わる音楽活動を体験してもらいたい。現代のコミュニケーションは、声や表情といった身体性も抜け落ちがちであり、将来親となる、中高生や大学生も含めて、音楽という非言語的なコミュニケーションを体験する場は、今こそ必要である。
これらを通して見えてきたことを、地域における子育て支援事業の一部に応用できる提案としてまとめることが、今回の研究の目的である。

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