4年生の「就活」
考える力・感じる力を磨く
先日、学友会学術文化会の学生がふたり訪ねて来ました。同会による秋のイベントの広報です。ふたりとも4年生でしたので、その後就職の話になりました。ふたりともまだ就職は決まっていません。学術文化活動と就活に忙しい秋です。
昨年の世界的な金融危機に始まった大不況は、いまだに大きな影を落としています。この不況の影響で、県外の大学に進学した学生たちも、鹿児島の就職戦線に参加していると聞きます。一段と厳しい競争です。
9月末現在、地域創生学科の就職率は、学生数は少ないものの、72・4%と飛びぬけていますが、大学全体の就職率は5割に届きません。もっとも社会福祉学科、児童学科など資格取得者を対象とする市場では、決定が年度後半にかかるので今からです。
ところで一つの企業の採用試験に失敗する。次の企業に挑戦するが、うまくいかない。そうすると、意欲は空回りをし、あるいは衰える。だれにでもあることです。こういうときに、考える力・感じる力の本当の充電に気づくケースもあります。
昨年、「学生論文コンテスト」に応募し、入選した学生です。彼は企業面接で質問される「自己診断」の模擬訓練を、親友にやってもらいました。何度も面接に失敗した後のことです。そのときの友人の厳しいしかし的確なコメントがきっかけになり、誠実に考える、その大切さを学びます。
選考を受ける者は選考する者より「格下」です。だから自分が劣っていると思い、自分の力が出せない、あるいは自分はだめだと思い込んでしまう。この問題になるとわたくしはよく、中島健蔵氏の一文を思い出します。
何かのお願いがあって、「格上」の方にお目にかからねばならない。面談で若輩の気後れが出ないように、いつも一冊の書籍を携え、待ち合いの時間を過ごされたらしい。
これと同じ状況が、企業面談のときにも出現するだろうと考えられます。書物(書物に限りません)に傾注することではぐくまれる青年の考える意欲と感じる力。こうして青年に潜在する力は、面談をする選考者に、他の応募者とは異なった可能性として、感じられるはずです。
例えばこの学生の考え方は、ほかの志願者の通り一遍の説明と違う、なぜそう考えるかもっと聞いてみたい、というように。
自分がかねてから充電している考える力・感じる力が、こうして現れます。キャリア・デザインは青年の考える力・感じる力の育成。その力を育てるのがあなたであり、また大学の基本的な役目でもあるのです。
