パワー・ハラスメント
気さくに相談できる環境大切
「先生、それはパワー・ハラスメントですよ!」。「わたしがあなたの部下のだれかに同じことをいえば、それはパワー・ハラスメントだ。しかしあなたにいうのだからハラスメントじゃない!」。
どちらも相応の怒気を含んだ言葉のやりとりです。振り返ってみて、わたくしの発言は限りなく黒に近いグレー★
7月の前半にハラスメントの研修会がありました。学生と教員を対象にした研修会で、9月は職員向けの研修が行われます。本学は昨年からハラスメント防止の活動を始め、年に2回以上研修を開いています。
あれはハラスメントだったのではないか。講師の話をうかがいながら、昨年のある会議での自分の言葉を、思い起こしていました。冒頭の激しいやりとりは、本学で半ば慣習となっている考え方の「壁」に何度もぶつかり、かんしゃくを起こしたわたくしの発言が引き金です。
定義によればパワー・ハラスメントは、「職場における上下関係などにより生じる「権力差」(パワー)を背景にして、継続的に人格と尊厳を侵害する言動で、職場環境を悪化させる、あるいは就業不安を与える行為」。
わたくしの発言がこの定義にぴったりあてはまるとは思いませんが、自らを省みる基準にします。幸いにも、あのやりとりがあってから、わたくしたちはいままでにない、仕事について深い対話ができるようになりました。自分の責任をたなに上げた言い方になりますが、「けんか相手」に敬意をおぼえています。
ハラスメントにはよく知られているパワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント以外にいろいろな形があります。
ハラスメントを受けている学生・職員・教員が相談できるように、本学では職員、教員の「相談員」をおいています。若い男女の教職員も相談員になっています。若い職員にそんなことができるか、と懸念する意見もありましたが、「きさくに相談できる」。そういう環境を作りたいと考えたからです。
相談員はハラスメントをなくする環境を作るのに、いちばん最初に被害者と接する・対応する人です。(1)被害者の訴えをもみ消さない (2)訴えに真剣に耳を傾けるが、自分の意見はいわない (3)守秘義務を守る。これがハラスメントを防止する初動の基本であると研修で学びました。
若い男女の教職員は平均的にいえば、これらの条件に一致する「つつましさ」「やさしさ」を備えています。したがって「気さくに相談できる」。若い相談員の大切さを再認識した研修にもなりました。
