大学を支えるもう一つの力

6000ccに点火:No.35(2007/3)

SDの構想

大学は教育・研究を行う組織です。教育・研究を直接担当するのは教員ですが、その環境を支えているのは、事務職員です。したがって大学の活動には①それぞれの能力が大切であり②教員と事務職員の協働が不可欠です。当たり前のことだと思われがちですが、当たり前になっていないのが、残念ながら現実です。

高校生が少なく、進学率が低い社会状況で、学生定員が100人の大学を仮想します。一方で高校生の進学率が50%で、定員1000人の大学を考えて見ます。仮想の大学では教員・事務職員・学生が相互に目の届く環境にいるので、①と②の条件は自然にあるいは容易に成り立つでしょう。

しかし現実の大学ではそうはいきません。大学の規模が大きくなれば、「相互に目の届く環境」が失われるからです。失われた環境の中で、わたくしたちはいわば大量の教育とそれに伴う大量の教育支援事務を行う必要に迫られ、教員も事務職員もそれぞれに「効率的な」組織運営をしようとします。

教員は教員なりの効率性を、職員は職員なりの効率性を求めたはてに、現状の組織ができました。その結果大学教育を受けたいという大量の学生の目には、硬直したふたつの「効率性」したがって「形式性」が映っているに違いありません。

法人としての大学の務めは、入学金・授業料を前払いした入学生を預かって、将来社会で活躍する人材として仕上げる、いわば受託生産を誠実に行うことです。社会的に見て、この原則を忘れることは許されません。

大量の学生たちを教育するという課題(受託生産)をどのようにすればよいか。本学は直接教育にかかわる教員の「教授する能力の開発」(FD)に3年間努力してきました。その努力が、そろそろ成果の兆しをみせるという段階に来ています。注目していただきたいのは、本学のFDがボランティア教員による授業公開(パイロット授業)から始まったということです。

大学の務めを考えれば、事務職員にも「事務能力の開発」(SD)が不可欠です。昨年7月若手事務職員10人にお願いして、SDの基本構想を検討してもらいました。大学の将来を担う若手の職員が、この厳しい作業を担ってくれたことをわたくしは、「パイロット授業」同様、誇りに思っています。基本構想は3月に完成しました。

事務局長とシニア職員、基本構想委員会の委員長それに副学長2人プラス学長の10人の委員会(実施委員会)は4月から、基本構想を実施に移す手はずを整える仕事にかかります。

「委員会は毎週開く」。事務局長がふと漏らした言葉です。忙しい春が来ます。

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