生きた課題に挑戦する好機
学生が参加する地域創生
前号のこのコラムで「カフェを作る苦心」について書きました。新しい事業を起こすとき、必要十分なマニュアルはない。新規事業の理念を具体的な構想(プラン)にまとめる・構想は実施できるか・持続できるか。起業は過去ではなく未来にかかわるのですから、プランの段階で、持続可能性の問題を事前によく検討しなければなりません。
手ごろなマニュアルによりかかる、あるいは他の起業例を模倣する―そうすることが一般にできないのが起業の特色です。
これに関連して京都・伏見大手筋商店街の「もうひとつの実家」活動に触れました。商店街の空き店舗を利用して、孤立して生活しがちな町の若い主婦たちに、相互に話し合う場所を提供しています。ニュース番組で見たのですが、素晴らしいプランでしたので、紹介しました。
商店街の活動といえば、鹿児島市内の宇宿商店街も活性化に挑戦していることで、全国的に知られています。宇宿商店街振興組合理事長の河井達志さんは去年、本学地域創生学科のオムニバス講義「地域創生」で講義をしていただきました。講義のタイトルは「小さな商店街の果敢な挑戦」。270分の講義はその冷静な状況分析、人材を活用するシステムの設計、イベントの工夫などで、わたくしたちを魅了しました。
講義の中でも提案しておられたのですが、暮れの12月、「宇宿の街づくりプロジェクト」に地域創生学科の有志学生(新学科ですから1年生だけ)の参加が決まりました。年が明けて12日夕、学科学生16人が河井さんの案内で商店街を見学しています。
学生たちが担う課題は①商店街に若い人が来るにはどうすればよいか②商店街周辺の回遊性を高める方法③バリアフリーの歩道整備など宇宿町の景観づくり④自分たちのアイデアによる空き店舗の経営―です。
1年たって成果があがれば、国交省の地域振興プロジェクトに応募するという計画です。
学生たちにとって願ってもない機会だと感謝しています。何よりも、文字通り「地域を創る」という現実的な課題に直接挑戦できるからです。
わたくしならどうするだろう。JR宇宿駅の有人化に象徴されるように、商店街周辺の住民は増加しています。まずは周辺住民の人口分布・家族構成を知る、次に住民層が潜在的にもっている商品・(社会的支援をふくむ)サービスの内容を探って、商店街の現状を見直す、などなど。
学生たちが現地・現場に密着して優れた提案を出してくれることを期待しています。
