大型店に負けない事業の形
「小さな書店の魅力」
後期になり、宇宿商店街の「プロデューサー」河井達志さんのオムニバス講義「小さな商店街の果敢な挑戦」を聴きました。近隣に大型店舗の進出が決定している状況で、小規模な宇宿商店街の活性化をあらゆる方向で模索されている様子に、感銘を受けました。
「一店逸品」による地域住民へのサービスの創造、「まちの駅」化による観光スポットとしての試み、多様な提案と決断を可能にする住民理事会の構成と運用など、事業の作り方・展開の仕方。「大型店舗に勝てはしないが、負けはしない」。
大学という事業を担当する一人として、多くを学びました。地域創生学科の1年生が学生たちのアイデアで、店が一つほしいと感想を書いているのも、うれしいです。
10月の末、自宅近くに大型店舗が開店しました。店舗の構成など予備知識もなく、散歩がてらに立ち寄ったのですが、いくつかの店舗に気をひかれます。のぞいた順にいえば、シネマコンプレックス、ゲームセンター、書店です。
シネマは10スクリーンほどで、渋い好みの映画をかけるところがあります。ゲームセンターは空間が広く、家族ぐるみで熱狂しているゲーム機がありました。
最後に本屋さんです。300坪くらいの広さですが、ゆったりしていて本好きにはたまらない「実力」が感じられます。「実力」にひかれ10冊ほど買いました。選ぶのに20分ぐらい。本を手かごにいれて歩いていると、中年の男子店員が手伝ってくれ、かごの中を見て、その本は店長が店員全員に読むように、と指示しているといいます。
カウンターに一番近い区画に、人文・社会に関する一般書・研究書の中で、読書新聞・一般新聞の書評で取り上げられた本が、宝石のように並んでいます。
店内には文庫本、子供用、家庭生活用の雑誌や本も置いてあるのですが、大型書店のように、なんでもありますという陳列をして、息が詰まるのではありません。居心地よく本を選ぶよろこびが工夫されています。
大型書店の九州地域担当の重役が先日あいさつに見えました。大学に見える方たちは用件があり、それが話題になるのですが、この方は違いました。大学の機構改革と活躍する知人の話が中心です。関連するのでこの小さな書店のことを尋ねると、全国に250ぐらいの店を持ち、ユニークな経営をしているということです。
わたくしの関心もわたくしたちの話も終始、大学の経営・機構でした。どうやら「6000ccに点火」にも目を通してこられたようです。小さな書店のことをもっと知りたいと思っています。
