苦心・忍耐・創意に脱帽
「地域創生」の旅
みなみ風119号のこのコラムで書きましたが、新学科「地域創生学科」(来年4月開設)の主要科目のひとつである「地域創生」を組織するために、7月末から県内を歩いています。
この科目は県内で、ある可能性を求めて新しい事業を追求している事業者20人に、2年にわたり担当していただくオムニバス講義です。この方たちはいろいろな分野で営々と仕事に打ち込み、文字通り地域を創っておられる事業者です。
それぞれの方が心を開いてわたくしを迎えてくださり、事業の苦しみと希望を語られました。そしてオムニバス講義に参加することを約束していただきました。はからずもその中のひとりに本学卒業の経営者がおられ、うれしい出会いになりました。
候補の方々に全員お会いするためもう少し行脚を続けますが、お名前と講義のタイトルは近いうちに公表できると期待しています。
事業への情熱と事業を通して地域を洞察する「知」―いずれの方のお話にも深い啓発を受けました。そしてこう考えるようになりました。まずわたくしはもとより、地域創生学科に参加する12人のスタッフも、この講義を傍聴すること。講義を聴くことにより、新学科の研究と教育を築くためのより確かな「知」が得られるはずだからです。
それからこの講義の素晴らしさを本学だけが「ひとりじめ」にするのはもったいない、「ひとりじめ」は地域を創るという新学科の目的にそぐわないのではないか。この講義は県民に公開して、聴いていただくべきである。地域における多分野の優れた活動について、ひとり延べ270分語る、密度の高いオムニバス講義はいままでになく、また将来も組織する機会はめったにないと思うからです(わたくしの知るところ全国に例がありません)。
公開する場合、講義の環境(教室・時間割など)について、これから検討・準備しなければなりませんが、公開は、南九州に事業を起こすことを理念に設けられた本学がいま、地域創生に貢献するひとつの務めあるいはかたちではないか。
それだけではありません。この大学自体が教育と研究という「事業」を鹿児島という地域で行っています。そして教育と研究に携わる教員・事務職員のひとりひとりがその事業を担っています。
話をうかがった帰り道、わたくしたちがこの方たちの苦心・忍耐・デザインの創意に匹敵する、教育・研究事業の営為をおこなっているか、とりわけ学長・事務局長は事業者としての責務を果たしているか、自問自答していました。
